開業希望の方

市場分析

MARKETING RESEARCH

開業候補地の比較や、人口推移など
専用のツールを使って
多角的な視点で検討します

診療圏調査

独立して診療所を開業する際、「絶対この地域で」と決めている方も、「なんとなくこの辺りかな」と思っている方も、まだ全然候補地を決めていない方もいらっしゃると思います。それぞれのドクターが候補地を選択する理由も、思い入れのある土地や馴染みのある地域、また新天地に希望を馳せてなど、その想いは様々です。

ただ、ここでひとつ気をつけておきたいのは、その場所で開業した場合、そこでいったい何人の患者を見込めるのか、ということです。この来院患者数の予測は、開業の候補地を選ぶ際にとても大きな判断材料になります。熱い想いを胸に、「いざ開業してみたら患者が全く来なかった」では話にもなりません。

この来院患者数の予測調査は、専用のソフトを用いて行います。具体的な方法としては、まずその地域の人口から厚生労働省の受療率を用いて患者数を計算します。その数値に、近隣にある競合となるであろう医療機関のデータを加味することで、そこで開業した場合の一日あたりの来院患者数を予測します。複数の候補地を考えている場合は、この数値の結果を比較して検討することが可能です。また、昼間にその地域にいる方々(勤務地)を集計した「昼間人口」と、住んでいる方を集計した「夜間人口」の両方を確認することも重要です。

ご注意いただきたいのは、この調査で導き出された来院患者数が、開業当初から達成するのは稀だという事です。開業して数年は予想された来院患者数に満たない場合が殆どですので、事業収支計画を作成する際には少なめの人数でも事業が成り立つかどうかを検討する必要があります。また、事業収支計画を作成しますと、「この診療所の経営には、一日あたり何人の患者が必要か」というデータが導き出されます。この一日あたりの必要患者数よりも、候補地の診療圏調査で導き出された予想患者数の方が多いかどうかが大事なチェックポイントです。診療圏調査の患者数は少なくても、近隣に商業施設や大型スーパー等がありますと、集患効果が期待できますので、一概には調査の結果だけでは判断できませんので、やはり現地を平日や休日、朝や夜等色々な時間帯に見に行くことが大事です。
さらに、候補地選びのポイントを挙げますと、すでにご説明した来院患者数の予測は、開業時点だけの判断では不十分です。開業されますと、その場所で10年、20年と診療をすることが一般的ですので、長いスパンでその地区がどうなっていくのかを考える必要があります。数年、数十年先を見越した際にも、人口が増え続ける要素があるのか、十分な患者数を確保し続けられるのか、また、その時も当初の患者数を確保し続けていく必要があるのかどうかも含めまして、その地域の人口推移についても事前に調べられるだけ、調べておく必要があります。
多くの患者さんに末永く来院いただく診療所にするためには、こうした複数のデータをもとに慎重に開業候補地を比較検討していく必要があるのです。